■敵地・水戸戦での4500人

 アイスタに駆けつけた、今シーズン最多となる1万8284人のファン・サポーターのなかには、数多くの少年少女も含まれていた。目の前で昇格を決めた至福の喜びを共有できれば、感動の瞬間は静岡サッカー界の未来へとつながっていく。これが心残りだと振り返った権田に、秋葉監督も思いをシンクロさせる。
「今シーズンのアイスタで最多のサポーターファミリーが、われわれとともに昇格するんだという雰囲気を作ってくれて、昇格の機運を高めてくれた。最後の最後まで、この空気感やわれわれの絆は揺るがないと思っている。全員で戦う姿勢こそが清水エスパルスの伝統と歴史であり、素晴らしい部分だと思っている。アウェイとなる次節を含めて、これはなくさずにあと3試合、しっかりと戦っていきたい」
 水戸ホーリーホックと2-2で引き分けた前節でも、敵地・ケーズデンキスタジアム水戸には4500人を超える清水のファン・サポーターが駆けつけた。同じ光景は間違いなく次節でも生まれる。敵地のゴール裏から間断なく発せられる熱量と、ホームタウンから届けられるエールを力に変えながら、清水は2位以内を確定させる勝利だけを追い求めてカンセキスタジアムとちぎのピッチに立つ。
(取材・文/藤江直人)

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