■「自分のために頑張るとか、そういったものはむしろいらない」

 自らの退任が発表された直後のミーティング。鬼木監督は「自分のために頑張るとか、そういったものはむしろいらない」と選手たちに求めてきた。必要なのはピッチに立つ一人ひとりが輝く光景。必然的にそれが勝利へとつながっていく。
「発表があってからもいままでと変わらず、勝利のためにやれることをすべて、という監督の思いは、練習で間近に見ていても感じられる。だからこそ、自分ももっとチームを勝たせられるような仕事をしないといけないと思っています」
 上海申花(中国)のホームに乗り込む、23日のAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)リーグステージ第3節を含めて、8年間で7個ものタイトルを川崎にもたらした名将、鬼木監督とともに戦えるのは残り9試合。橘田をはじめとする選手たちは、恩返しとなる勝利だけを貪欲に追い求めてピッチに立つ。
(取材・文/藤江直人)

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