■「もっと勝利に貢献していればまた違う流れになっていた」
同点に追いつく一撃を、小林は素直に喜んだ。しかし、ゴールに絡めず、川崎を勝利に導けなかったその後のプレーを悔やんだ。何よりも4月28日のサンフレッチェ広島との第10節以来となる、今シーズン2点目だったのが不甲斐なかった。
「正直、自分がもっとゴールを決めていれば、もっと勝利に貢献していればまた違う流れになっていたのかなとか、本当にいろいろと考えました」
鬼木監督と歩んできた軌跡への感謝の思いと、ガンバ戦を含めて、勝利に貢献できなかった今シーズンの不甲斐なさが合わさって小林の涙腺を決壊させた。
「今日ももう1点を取って勝たせたかった。オニさんと戦える残り試合をしっかりとかみしめながら、ゴールを含めた結果を見せられるように準備していきたい」
雷雨で延期された浦和レッズ戦を含めた5つのリーグ戦と、年内にリーグステージの4試合が待つAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の計9試合へ。一時代を築いた名将への恩返しの思いも込めながら、川崎の戦いは続いていく。
(取材・文/藤江直人)