■日本代表の成否を大きく左右

 となれば、11月シリーズで遠藤が戻ってきたら、迷うことなく守田とのコンビ再結成に踏み切るだろう。それが守備強度アップ・中盤のインテンシティ向上にはベストなアイディアだが、守田が指摘した通り、他の選手が出て幅を広げることにはつながらない。そのあたりは指揮官としてはつねに頭の痛いところだが、「本大会切符をつかむまではリスクは冒せない」という頑な思いを抱いているはずだ。
 いずれにしても、遠藤が必要不可欠な存在だということをオーストラリア戦で我々は改めて痛感させられた。だからこそ、彼にはいち早く体調を回復させ、リバプールでの出場機会を増やす努力をしてほしい。現状では超過密日程の時にリーグカップに抜擢されるくらいで、プレミアリーグやUEFAチャンピオンズリーグの舞台に立つ機会は皆無と言っていいが、少なくとも年末までは苦境を乗り越えるトライを続けるしかない。
 12月末まで序列アップの見通しが立たないようなら、イングランド他クラブへのレンタルなど違った道も模索した方がいい。遠藤の環境がどのように変化するのかが、日本代表の成否を大きく左右する。それも間違いないだろう。
(取材・文/元川悦子)(後編へつづく)

(2)へ続く
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