■生かしたかった「自由さという彼にしかない能力」

 前半のチャンスの1つがゴールになっていれば、試合展開が別のものになっていたのは確かだが、守田は田中との関係について「(田中)碧も3バックでプレーする機会が少なくて。考えながらやりすぎた分、ちょっと良い意味でのアンバランスさ、自由さという彼にしかない能力っていうのをうまく試合で使わせてあげれなかった」と反省した。
 相手の出方を含めて、前半に守田が感じていた問題を田中と話し合いながら、後半の改善に繋げていこうとした矢先のオウンゴールによる失点で、その後のメンバーチェンジによって試合がオープンになったのは仕方がないことだが、二人の関係を構築するという意味でも難しくなってしまった。
「碧をどうにかして生かしてあげないとという気持ちがあるからじゃなくて、それが同じユニットじゃない分、差があるし、気もつかうし。でも彼のことは必要最低限、知ってるつもりだし、今日彼のパフォーマンスがどうだったかは人それぞれ印象が違うと思いますけど、もっとやれるだろうし、僕ら次第でもっとやれたんじゃないかと思う」
 守田は最終予選が厳しいものであり、最大のライバルにもなりうるオーストラリアに対して、簡単な試合になるはずがないことを理解している。前半に関しても「枠に飛んでればとか。少なからずチャンスは作っただろうし、それをものにできるかできないかっていう勝負の世界」ということは十分に承知した上で、チームとしての共通理解をもっと深めて、その中でボランチの関係性を整理していかないと、その都度、メンバー固定化のリスクが生じてしまう課題を示唆していた。
(取材・文/河治良幸)

(2)へ続く
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