ボール支配率でオーストラリア代表を圧倒し、シュートをわずか1本、それも開始7分の枠外のそれだけに封じながら、日本代表の右ウイングバックで先発した堂安律(フライブルク)はある疑問を抱き、周囲の仲間たちにも伝えていた。
「僕らも誰か枠内シュートを打ったかな、といった雰囲気がずっとあって」
実際には前半だけで3本の枠内シュートを放ち、そのひとつには堂安の左足から放たれたものもあったが、オーストラリアの守備陣を脅かすような状況にはいたっていない。手応えが感じられない試合展開が、先述の疑問を堂安に抱かせていた。
右シャドーで先発し、あうんの呼吸で堂安と繰り返すポジションチェンジで敵陣へ攻め込んだ久保建英(レアル・ソシエダ)もある確信を抱いていた。
「右からクロスをあげさせられているという感覚があった。ひたすら中を固められ、縦へどうぞとされたのも、守り切れるという彼らの自信の表れだったと思う」