■高さとリスタートに中位

 ポポヴィッチ監督は森保監督より5歳年下だが、監督キャリアを本格的に始めたのは同じ2012年。その後、森保監督はJリーグを3度制覇し、東京五輪代表・日本代表監督へステップアップしたが、ポポヴィッチ監督はウエスタン・シドニー時代にAFCチャンピオンズリーグACL)制覇を達成。彼も国際経験値という部分では自信を持っているだろう。
 その手腕を初陣・中国戦では確実に発揮した印象だ。オーストラリアはそれまでの4バックから3バックへと変更。序盤に守備陣のギャップを突かれて失点したものの、すぐさま立て直しで攻め込んだ。
 特に目立ったのが、アジズ・ベヒッチ(メルボルン・シティ)とルイス・ミラー(ハイバーニアン)の両ウイングバック(WB)の仕掛け。彼らを軸に敵を攻略し、前半終了間際には左サイドからのFKでミラーが同点弾をゲット。そこで重圧から解き放たれた。
 そして後半は2シャドウの一角を占めるクレイグ・グッドウイン(アル・ワフダ)のミドルシュートが決まり、逆転に成功。終盤にはミッチェル・デューク(町田)と代わったFWニシャン・ヴェルビレイ(メルボルン・ビクトリー)がダメ押しとなる3点目を挙げ、3-1で勝ち切ったのだ。
 SNS上では「オーストラリアの高さとリスタートは脅威」という意見が数多く見られたが、そこは確かに警戒すべきポイントだ。相手には3バックを統率する198センチのハリー・ソウター(シェフィールド・ユナイテッド)を筆頭に長身選手が並んでおり、空中戦では明らかに優位性がある。さらに、2022年10月の前回最終予選対戦時(埼玉)で直接FKを決めたアイディン・フルスティッチ(されるチィターナ)も控えている。不用意なファウルが失点に直結することを日本の選手たちは今一度、肝に銘じる必要があるだろう。

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