■主軸は南野拓実

 9月シリーズでは浅野拓磨(マジョルカ)もシャドウの一角を占めていて、とにかくバリエーションが多いのが実情。1トップの上田綺世(フェイエノールト)や遠藤航(リバプール)・守田英正(スポルティング・リスボン)ら他のポジションは基本的に固定されているため、シャドウが攻撃の色合いを大きく変える重要ポイントになっているのだ。
 ここまでの流れを見ると、南野が主軸を担っているのがよく分かる。彼はモナコでもシャドウ、もしくはセカンドトップを主戦場としていて、あらゆる人材の中で最もストライカーに近い特性を備えている。上田と近い距離で2トップ的な仕事をこなすのも長けていて、フィニッシャーとしての期待値も大だ。
 ただ、10月シリーズで無得点だったように、コンスタントにゴールを奪えているわけではない。オーストラリア戦でも久保のクロスに飛び込んだ後半12分のヘッドを外したが、決めきるという課題を克服していく必要がある。ベテランの領域に差し掛かりつつある彼には得点源としてさらなる成長が求められるのだ。
 久保に目を向けると、ご存じの通り、彼は打開力とチャンスメークの両方に秀でた選手だが、10月はやや空回りが目についた。特に引かれたオーストラリアには中を切られ、シュートに持ち込めないなど、難しさを露呈した。もう少し引いてボールを受けながら、堂安ら他の選手を前に行かせるなど工夫もあっていい。もう一段階の前進が必要だ。

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