Jリーグは終盤に入っているが、アジアでは新シーズンがスタートした。アジアの頂点を争うAFCチャンピオンズリーグ・エリート(ACLE)が開幕したのだ。大会は、今シーズンから「新方式」を採用しているが、その仕組みは複雑怪奇。サッカージャーナリスト大住良之は「アンチ・サッカー的だ」と、警鐘を鳴らす。その意味するところとは?
■不公平な大会形式は「UEFA」のサルまね
いずれにしろ、新しい「ACLE」の大会方式は複雑怪奇であり、不公平であり、そして「アンチ・サッカー的」な方式と言わなければならない。だが、それはAFCが発明したわけではない。AFCは「サルまね」をしただけなのだ(こんな書き方をしたら、サルには失礼かもしれない)。
「お手本」は、もちろん、今季から大幅に大会方式が変わったUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)である。こちらは、アジアのように東西に分けなければならない地理的条件があるわけではないので、もっと複雑怪奇だ。
出場は36クラブ。それが1リーグを形成する。通常の方式(全クラブとホームアンドアウェーで対戦)なら1クラブの試合数は1シーズンに70試合になる。それをACLEと同様、「第8節」で切ってしまい、乱暴なことに、その時点で順位をつける。そして1~8位はラウンド16に進出。9~24位の16クラブはプレーオフ(2クラブずつ組み合わせ)を行ってラウンド16進出の残り8クラブを決めるのである。
36クラブはこれまでのUEFAのクラブ大会の成績に応じて4つの「ポット」に分けられ、各クラブは4つのポットから2クラブずつ、計8チームとホームあるいはアウェーで対戦する。