■6万人の大観衆の中でのイメージ

 だからこそ、重要となるのがコミュニケーションだ。攻撃でスムーズにいかせるため、あるいは、守備でより堅くするため、そして、ズレを修正するため。
 今季からベルギーリーグに活躍の場を移したこのベテランDFは、「ちょっとズレが生まれると、この気候だし、連続性というのがなかなか厳しくなってくると思うので、コミュニケーションは一つ大きなポイントになる」としたうえで、「なので、まずはしっかり自分たちの狙いをしっかり合わせておくことと、実際にゲームが始まってから、近い距離でもいいし、みんなで声を合わせながら、目をあわせながら、しっかりやっていかないといけない。そういう会場の雰囲気にも飲まれないように、しっかりと自信を持って入れるように準備したい」と意気込む。6万人の大観衆だからこそ、コミュニケーションの取り方まですでに頭に入れているのだ。
 同じくベテランの域に入っている伊東純也も、「早い時間に取れればベストですけど取れなくても焦れずにやればいい」と話し、途中出場の選手も含めて90分で仕留めるイメージの重要性を説く。
 日本代表は夕方に練習時間を設けているが、その時間でも暑さは相当なもの。思い描くようなサッカーを必ずしも展開できるとは限らないが、それも含めてイメージを重ねている今の森保ジャパン。これまで悔しい思いをしたこの地で、歴史を塗り替える。
(取材・文/中地拓也)

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