アタッカー三苫薫、堂安律「力を抜かない」守備の仕事と、サウジアラビア戦「2つ」のプラス材料、引き分けで「広がる」可能性【サッカー日本代表「W杯アジア最終予選」は楽勝か】(3)の画像
得点差があっても、守備でも手を抜かない日本代表のアタッカー陣には脱帽だ。撮影/原悦生(Sony α‐1使用)

 ワールドカップ(W杯)・アジア最終予選を戦っているサッカー日本代表。初戦の中国戦7-0、第2戦のバーレーン戦5-0と、計12得点を奪う2戦連続の圧勝だった。だが、いまだ「今後は難しい戦いになる」と、警戒論を述べる人が多い。どこに「問題」や「落とし穴」があるのか。サッカージャーナリスト後藤健生が分析する。

■代表選手にとって「何よりも恐い」のは

 もちろん、日本代表の選手やスタッフが「警戒論」を語るのは当然のことだ。

 何よりも恐いのが「慢心」だからだ。

 サッカーというのは非常に番狂わせの起こりやすい競技であり、多少の実力差は戦術的工夫やハードワーク、そして幸運によって引っ繰り返せる(だからこそ、ワールドカップ本大会で日本が優勝する可能性もゼロではないのだ)。とするなら、プレーする選手は対戦相手が格下であっても、最大限の集中と警戒心を持って戦うべきなのは間違いない。

 対戦相手がアジアであっても、どの国にも個人能力が高い選手、あるいはフィジカル能力が高いなど特徴を持った選手が何人かはいる。そうした選手にスペースや時間の余裕を与えてしまうと、とんでもないプレーをしてくる。

 アジア予選を戦う日本代表を見ていて本当に感心するのは、強い相手を打ち負かしているからでもなければ、大量得点を奪っているからでもない。たとえば2次予選で対戦したミャンマーのような、明らかに格下のチームに対しても、気持ちを緩めることなく準備をして、点差が開いてからでもしっかりとハードワークして、最後まで点を取りに行く姿勢を崩さないことだ。これこそ、「ディシプリン(規律)」というものなのだろう。

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