■真っ先に抱き着いた選手

 覚悟を決めて臨んだ山本が、待望の初アシストをマークしたのは63分だった。日本代表DF高井幸大の縦パスに抜け出し、敵陣の中央でボールを落ち着かせ、新潟のDFトーマス・デン藤原奏哉を引きつけながら視野もしっかりと保った。

「前半にも同じシーンがあって、左右にマルちゃんとエリソンがいて、マルちゃんを選んだらちょっとミスをしちゃって。なので、今回はエリソンに出すしかないと。マルちゃんにはちょっと申し訳ないと思いつつ、点が入ってよかったです」

 山本のスルーパスは右サイドをフォローしてきたFWエリソンへわたり、勝利を決定づける3点目が生まれた。次の瞬間、両手を夜空へ突きあげて喜びを表現していた山本へ、真っ先に抱きついてきた選手がいた。今夏にサガン鳥栖から完全移籍で加入し、リーグ戦では山本と初めてダブルボランチを組んだ河原創だった。

(取材・文/藤江直人)

(2)へ続く
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