■「楽勝ムード」のスタジアムに緊迫感

 そして、後半開始6分に、千葉は追加点を決めて優位に立った。

 左サイドでつないだ後、左SBの小川大貴が差し込んだパスが、いわゆるポケットを取った田中和樹につながり、田中のクロスをゴール前に飛び込んだ横山が決めた。流れるようなリズムでパスがつながったビューティフルゴールだった。

 反撃を試みる山口だったが、千葉の堅守に跳ね返され、さらに65分に交代で入ったばかりの小林成豪がドリブルシュートを狙ったが、左のポストに嫌われるなど運も味方せず、試合は2対0のまま最終盤に差し掛かった。

 ところが、86分に山口に追撃のゴールが生まれた。

 DFからの縦パスで右サイドの奥山洋平が深い位置まで持ち込んでクロス。このクロスは千葉に防がれたが、すぐに再び右から奥山が同じような形のクロスを入れ、ゴール前に混戦ができ、相田勇樹が放ったシュートを千葉のGK鈴木椋太が弾いたところを酒井宣福が決めた。

 これで、「楽勝ムード」だったスタジアムが一気に緊迫感に包まれた。

 追い上げられた千葉は、守りに入るのではなく、積極的にカウンター攻撃を仕掛ける。

 そして、93分に左サイドをドゥドゥがスピードドリブルで持ち込んで、早いタイミングでゴール前のスペースにボールを流し込むと、走り込んだ小森がGKの鼻先で触って3点目をゲット。再び2点差とした後、DFの山越康平を送り込んで3バックに切り替えた千葉だったが、95分にも右サイドでつないで起点を作り、最後は投入されたばかりの岡庭愁人が仕掛けてファウルを誘発。獲得したPKを小森が決めて4対1とし、小森自身もハットトリックを完成させた。

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