■「常勝軍団」ではないからこそ
試合終盤までは余裕の勝利といったムードだったスタジアムも、最後の数分間の連続ゴールで大いに盛り上がって終了。千葉は、山口と入れ替わってプレーオフ圏内の6位に順位を上げた。
いわゆる“常勝軍団”の優勝を争うようなチームであれば、2対0で終盤までリードしていた試合なら、無風のままクリーンシートを達成して逃げ切らなければいけない。
だが、千葉のようなJ1昇格に挑戦しているチーム、攻撃的サッカーで力をつけつつある成長途上のチームにとっては、こうしたエキサイティングな試合の終わらせ方も必ずしも悪いことではなかったのかもしれない。
とくに、千葉は前節にはブラウブリッツ秋田に1対0で敗れ、ミッドウィークに行われた天皇杯全日本選手権準々決勝でも京都サンガF.C.に3対0で完敗を喫していた(J1リーグで下位に低迷していた京都は、このところ上昇気味で、天皇杯にもかなり主力級のメンバーで臨んで非常に良い内容の試合をした)。千葉にとっては、そんな嫌なムードの中で、天皇杯から中2日で臨んだ山口戦だったのだ。
そうしたことを考えれば、最後に2点を取っての「派手な」勝ち方は、チームに勢いをもたらすという点では、あのまま2対0で終わらせるより良かったのかもしれない。