■欧州で「最も早く」活躍した国

 さて、ワールドカップの直前直後は飛行機代が高かったため、僕は大会の1週間ほど前に現地入りして、決勝の後も1週間ほどアフリカに滞在してから帰国しました。

 大会前は南アフリカの東隣のモザンビーク、大会後には北隣のジンバブエ、ザンビア、ナミビアを観光して回ったのです。

 モザンビークは、50年ほど前まではポルトガルの植民地(正確には海外領土)でした。あのエウゼビオが生まれたのもモザンビークの首都ロレンソマルケス(現、マプト)で、彼はこの地にあるスポルティングCPの下部組織で育ったのですが、後にプロになるときには激しい争奪戦の末に、スポルティングの永遠のライバルであるベンフィカと契約しました。

 その後、エウゼビオはベンフィカを欧州チャンピオンズカップ優勝に導き、また、1966年にはポルトガル代表のワールドカップ4強入りに貢献しました。その他、ベンフィカやポルトガル代表での同僚のマリオ・コルーナなども、やはりモザンビーク出身でした。

 今では、世界中どこのチームにもアフリカ系の選手がいますが、ポルトガルはヨーロッパで最も早く、アフリカ系の選手が活躍した国でした。

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