【川崎が名古屋の5バックを攻略できなかったワケとは(2)】“分かっていた速さ”を修正できなかったことが「試合の大きなポイント」に……「失点する前に、永井選手の攻撃を修正したかった」の画像
名古屋グランパス・永井謙佑が川崎フロンターレからゴールを決めた場面 撮影:中地拓也

「動揺しないで、やり続けよう」

 川崎フロンターレ鬼木達監督は、1点を追うチームにこう呼びかけた。

 その失点は、スーパーゴールだった。川崎フロンターレが名古屋グランパスと対戦したJ1リーグ第31節の前半34分、ペナルティエリアの外でボールを持っていた永井謙佑は、目の前にいた橘田健人もゴールを守っていたチョン・ソンリョンも関係なく見事な弾道のシュートを決めてみせた。スタジアムに駆け付けた名古屋サポーターの反応もやや遅れるほどのゴラッソ。名古屋がこの得点で勢いづいたのは明白だった。

 永井謙佑の速さは、川崎にとって守備をする上での大きな要素だった。そして、失点の前にも同じコンビネーションからゴールを許しかけていた。それは前半9分頃の場面で、椎橋は川崎陣内でスルーパスを送る。永井はここでも快速を見せて右CBと右SBの間を突いてシュート。ゴールネットを揺らしたものの、わずかにオフサイドの判定となっていた。

 2つのパスを出した椎橋慧也は、「多少浮いてても、(永井)謙佑さんならやってくれると思うので、ちょっと雑になっても出せるようにしたい」と絶対的な信頼感を根拠に、常に狙い続けたという。

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