■攻撃のギアを挙げる存在に

 今季の鹿島は攻撃のギアを上げる存在が乏しいと言われてきたが、ここへきて2人が調子を上げてきたのは朗報だ。後半途中から入った藤井智也も徳田の同点弾につながるドリブル突破で違いを見せており、流れを変える選手として存在感を高めつつある。今回ベンチ外となった田川亨介らを含め、もっともっと攻撃陣が切磋琢磨し、得点力を高めないといけないのは事実。それが短期間に結果となって表れれば、奇跡の逆転タイトルも夢ではないはずだ。

 このからの鹿島は柏レイソル湘南ベルマーレアルビレックス新潟アビスパ福岡と確実に勝たなければならない相手との試合が続く。さらに9月25日には天皇杯準々決勝でヴィッセル神戸とも激突する。タイトルを1つでも取りたいなら、それも落としてはいけない。ここからがポポヴィッチ監督体制1年目の鹿島の真価が問われるところ。チーム全体としてラストスパートをかけることが肝要である。

(取材・文/元川悦子)

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