■まだまだ発展途上「求められる」使い分け
そして、再び、2か月ほどが経過して、9月8日の東邦チタニウム戦を迎えた。
たった2か月の間に、南葛SCは、またまた違うチームになっていた。
中盤でゆっくりパスを回すような場面は減っていた。僕の最初のメモは「パスが回るだけではない。縦にボールが出る」だった。ボールを受けた選手はまず、前の選手を見て、ボールを付ける。そして、パスを受けた選手を追い越して選手がスペースに走り込んで、そしてまたパスが出る。パスがつながると同時に、ボールは相手ゴールにどんどん近づいていく。
そうして、南葛SCは何度も決定機をつかんでいた。だが、シュートは枠を捉えることができず、東チタのGK、射庭が好守を見せ、南葛SCはゴールを決められず、そして、ロングボールを使った攻撃で3点を失った。
決定力不足は明らかだし、勝負という意味ではまだ勝ち切れないチームではある。だが、「うまくなる」という意味では、着実にうまくなっている。3月に初めて見たときとは、まったく違ったチームになってきている。
おそらく、いや間違いなく、まだまだ、これも発展途上の姿なのだろう。
東チタ戦を見ていて、一つ感じたのは、非常に速くボールが回ってアグレッシブな攻めを見せたのだが、時に「急ぎすぎ」の場面もあったことだ。「そこは、ゲームを落ちつかせたほうがいいのでは」と何度か思ったのだ。
これも、風間監督は織り込み済みであり、いずれはそうした「緩急の使い分け」もできるようになってくるに違いない。