■半年でチームが変化「どういうわけなのか」

 試合後の風間監督には「面白かったでしょ?」と尋ねられた。

 そう、間違いなく面白かった。一つは、僕の大好きなパス・サッカーが見られたからだ。

 最近のJ1リーグでは、カウンタープレス型のチームが上位を独占している。パス・サッカーを目指している川崎フロンターレやアルビレックス新潟は、順位的には低迷している。そうした、パス・サッカーを見ることができなくなっている現在、南葛SCはまだまだ発展途上の段階にあるとしても、パス・サッカーの楽しさを見せてくれる貴重なチームなのだ。

 そして、もう一つは、わずか半年の間に、チームが変化して、どんどんうまくなっていくというプロセスを目撃する楽しさだ。

 風間八宏という指導者は、やはりただものではない。こんな指導者が(失礼ながら)関東リーグの弱小チームを率いているというのは、いったい、どういうわけなのだろう? 当然、プロのトップクラスのチームを率いているべき指導者だし、日本代表監督をお願いしてもいい監督でもある。

 だが、風間氏はそんなチームのカテゴリーなどにはこだわっていないようだ。いや、この南葛SCというチームを強くする、いや、うまくするという作業を風間監督自身が楽しんでいる様子なのだ。

 関東リーグは9月いっぱいで終了するが、このチームがこれからどれだけうまくなっていくのか、最後まで見届けたいものである。

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