【W杯アジア最終予選】9月5日中国戦「8人のキーパーソン」仕留めるFW三笘薫、やり切れる久保建英と“Xファクター”の2選手【攻撃編】の画像
パリ五輪でも活躍したFW細谷真大は“Xファクター”となりうるか  写真:日本雑誌協会代表撮影/中地拓也

■三笘はワンプレーで決定的な仕事ができる

 9月5日のW杯最終予選開幕節、対中国戦(埼玉スタジアム2002)で日本代表のキーマンとなる選手をあげていく。【守備編】ではGK大迫敬介、CB板倉滉、左SB中山雄太、それにボランチの遠藤航をあげた。

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 攻撃陣はFW伊東純也(スタッド・ランス)、FW三笘薫が1月のアジアカップ以来の復帰を果たし、主戦術の4―2-3-1でも3-4-2-1などのオプションでも、各ポジションに候補者がふたり以上いる。アタッカー陣はタレント豊富で、キーマンを絞り込むのは難しいが、ここでは以下の4人とした。

●FW 三笘薫(ブライトン)

 今シーズンは開幕から3試合連続でスタメン出場し、1得点1アシストと好スタートを切っている。コンディションは上々だ。

 最終予選の対戦相手からは、厳重に警戒されるだろう。ドリブルで切り込んでいくスペースを見つけるのは、難しいかもしれない。ただ、三笘が左サイドで幅を取ることで、相手守備陣の注意を惹きつけることができる。ひとつ内側のレーンを左SBやボランチ(あるいはインサイドハーフ)が効果的に使うことができれば、チームとしてチャンスを作ることはできるだろう。

 三笘はビッグプレーができる。一度の突破でゴールを、あるいはアシストを決めることができる。ワンプレーで決定的な仕事ができるのだ。90分+αの時間のなかで、彼なら確実に相手を仕留めることができる。

●MF・FW 久保建英(レアル・ソシエダ

 4-2-3-1ならトップ下、4-3-3ならインサイドハーフ、3-4-2-1なら2シャドーの一角で起用されることになる。どのポジションでも違いを見せつつ、ポジションの近い選手と確実に連動することができる。味方の選手の個性を生かし、自らの個性を封印することもない。

 その裏づけとして、自分で突破を仕掛けるのか、周りを使うべきかの判断が適切なのだ。プレーの選択に、無理がないのである。

 伊東が右ウイングに入った場合、これまではポジションチェンジを最小限に止めている印象だ。縦への突破が鋭い伊東の特徴を生かすためだろう。しかし、中国のスカウティングにはないプレーをする意味でも、久保が右ウイングでプレーする局面があってもいいのではないだろうか。伊東とのポジションチェンジに限らず、これまで見せてこなかった新たなコンビネーションを期待したいのである。

 中国はブロックを敷いて自陣に日本を引き込み、カウンターで仕留めるゲーム戦術で臨んでくるに違いない。不用意なボールロストを避けるためにも、攻撃をやり切ることがポイントになる。そのための判断も、久保のタスクのひとつだ。

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