■中田英寿「移籍前」のパルマへ

 守備の文化を持つイタリアという国。そして、あのジャンルイジ・ブッフォンが育ったパルマというクラブで、22歳の日本人が守護神となっているのは信じがたい光景です。

 つい最近まで、GKというポジションは日本の弱点のように思われてきましたが、最近は若いGKが何人も育ってきています。もし、鈴木彩艶がセリエAで成長していけば、「GKは日本のストロングポイント」と言われる日が来るのかもしれません。

 パルマのホーム、スタディオ・エンニオ・タルディーニも久しぶりに画面で見て、懐かしく感じました。僕は、中田英寿が移籍するよりずっと前の1999年にパルマのクラブを取材に行きました。

 最初に訪れた頃は、地元の世界的な乳製品会社「パルマラット」と提携して経営を安定させ、また育成にも力を入れて、中堅クラブのお手本のようなチームでした。ところが、その後、「パルマラット」が経営破綻してクラブも破産。現在のクラブは、その後、新しく立て直したものです。

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