異常気象と言われる事態が、もはや日常であるかのように、日本を含む世界の気候は大きく変動している。その影響は社会のあらゆる面に及び、サッカーもその例に漏れない。かつてとは違う真夏と、日本のサッカーはいかに付き合っていくべきなのか。サッカージャーナリスト後藤健生が考察する。
■アルゼンチン×韓国は「期待通り」の乱戦
2日目の第1試合は、U-18アルゼンチン代表対U-18韓国代表。試合開始時点では曇りだったが、すぐに競技場の北側(富士山側)に雨雲が発生して雨が降りはじめた。
試合は警告のカードが両チーム合わせて5枚。退場が1枚という乱戦になった。
ある意味「期待通り」である。韓国とアルゼンチンという、勝負やデュエルにこだわるチーム同士の戦いは、どのカテゴリーでの試合でもこうなることが多い。アルゼンチンでは昔から「韓国との試合は体が痛くなる」という言い方があるらしい。
試合開始からアルゼンチンが試合をコントロールし続けた。そして、17分には左CKからのこぼれ球をミルコ・フアレスが決めて先制。韓国も反撃に移るが、韓国の縦への攻撃はあまりにシンプル過ぎて、アルゼンチンに簡単に対応されてしまう。フラストレーションをためた韓国のファウルが増え(日本人レフェリーに不信感も持っていたようだ)、30分にはチャ・ジェフンが一発レッドで退場。
その結果、後半はアルゼンチンが試合を支配したまま時計が進んでいったが、アルゼンチンも数的優位を生かすことができず、後半は相手が少ない状態で戦っていたにも関わらず、シュートが1本もなかった。
アルゼンチンとしては1対0のままで終わらせるつもりだったのかもしれないが、そんなことをしていれば罰を受けるのも当然。試合が最終盤に差し掛かった78分。ハーフライン付近からのイ・タコの縦パスが通って、キム・ミンソンがフリーになって韓国が同点ゴールを決めた。
アルゼンチンとしては、あまりにも拙い試合運びと言わざるを得ない。