■日本×静岡は「決定力不足」以前の問題
1試合目が終了すると、再び雨が激しくなった。前日と違って静岡県内でも雨の範囲は小さかったようだが、愛鷹広域公園上空は分厚い雨雲に覆われた。その結果、18時30分キックオフ予定の静岡ユース対U-18日本代表戦の試合開始は18時52分に変更となった。
前半は日本代表が試合をコントロールしたが、やはり攻撃の形を作ることができない。「決定力不足」というのは、決定機を決めきれない状態のことを指す言葉だ。この日のU-18日本代表の場合は、それ以前の決定機を作る段階での構成力が不足していた。
また、船越勇藏監督はこの日も1トップにワッド・モハメッド・サディキ(柏レイソルU-18)を起用したが、ワッドは身体能力は高いものの、前線でボールを収めるプレーができなかった。
そして、試合が後半に入ると静岡ユースが立て直しに成功する。
ボールを奪った後に自信を持ってパスをつなぐことができるようになり、ボールをつないでサイドの選手に預けるというパターンを使って何度かチャンスをつかみかけるが、こちらも決定機まではいけないまま時間が経過した。
結局、試合はスコアレスドローに終わった。
とにかく、2試合目の終了のホイッスルが鳴ったのを見て、僕はすぐにタクシーに乗って沼津駅に向かった。試合開始が遅くなったので、列車の時間まで余裕がなかったのだ。