■高校生でのプロ昇格の経緯
高井幸大が高校2年生ながらトップチームに昇格をした後、鬼木達監督にその経緯を聞いた際、「バタバタした感じ」は少しあったものの、「見た瞬間に面白いって思った」と振り返ってもらったことがある。
そして、まだ高校生だった高井が川崎のトップチームの選手に「ぶっちぎられるケースがあまりなかった」ことが印象に残っている、とも。もちろん、攻撃面では当時からその良さを披露しており、「もうできるだけ早く一緒にやらせようと(チームに)言いました」と、入団の経緯も明かしてもらった。
その期待感のままに、高井幸大はついにA代表に名を連ねることとなった。森保一監督は、「まだ完成された選手ではない」と話して今後のさらなる成長を求めており、まず目指すべきは、高レベルのプレーをどんな環境でも安定させるところ。そのために、今回のA代表2連戦は足掛かりとして最高の機会となる。
なお、この記事では直接関係ないが、同じく14日に佐々木旭について「真ん中であれだけはがせたり、持ち運べるのは、めちゃめちゃ大きいですよね?」と聞いた際の鬼木達監督の答えも付記する。
「めちゃめちゃ大きいですよ(笑)! 自分の頭も変えてくれるというか、ああいうポジションにはうまい選手を置きたいと思ってやってきたし、でも、最後に守れなかったら。どれだけボールを動かせても、安い失点をしてしまっていたら、しっかりと守備をできる選手が必要になるだろうなと思う部分もありましたけど、(佐々木は)やっているうちに責任感ができてきたり、戦えるようになってきたり、足りない部分を探してもそれがどこなんだっていうくらいに成長していますよね。こんなに褒めると、あれですけど(笑)」
高井幸大はA代表に定着できるか、そして、佐々木旭ら次のA代表選手の召集もあるか。期待は膨らむばかりだ。
(取材・文/中地拓也)