■「今やっている選手たちは今を戦っている」
「よく過去が引き合いに出されますけど、僕自身はあんまりそういう話は好きじゃない」と柴崎は小笠原らとの比較論をいったん横に置いた。そのうえで「今やっている選手たちは今を戦っている。欧州のトップリーグを戦っている選手が1人入るだけで全部解決されるかっていうとそんなことはないですよね。どんな選手がいるにしろ、チームがまとまった戦いができなければ意味がないんです」と語気を強めたのだ。
さらに「今は強いチームになるためにみんな必死だと思いますし、その中で何ができるかどいうのは、その時々のタイミングや選手の考え、監督によって変わること。正解が分からない中で模索しながら結果を求めているのは確かです。とにかくいろんな選手の経験や勢いを結集して、シーズン終盤に向かって戦っていきたいと思っています」とキャプテンは毅然と前を向いていた。
そういうパッションを彼はもっともっと表に出していい。常勝軍団復活請負人がピッチ内外でより大きな影響力を出せるようになってくれれば、ランコ・ポポヴィッチ監督もチームメートも心強いはず。今こそ柴崎岳の持てる全てを出すべき時。彼の統率力に大きな期待を寄せたいものである。
(取材・文/元川悦子)