■森保一監督が称賛する空中戦の強み
高井本人はどのような思いを胸中に抱いていたのか。中国戦後の取材エリアで「やってやろうというか、伸び伸びやろうかなと思っていました」と緊張感とは対極に位置づけられる第一声を残した高井は、手応えを問われるとこう答えている。
「点差もあったので、普段通りにできたかなと。プレッシャーもなかったので、あれくらいはやらないといけない。ただ、もっと高められるところは必ずあるし、もっと出場したいし、もっともっと自分のレベルを上げていきたい」
小学生年代から川崎の下部組織で心技体を磨き、高校2年生だった2022年2月にトップチームとプロ契約。3年目の今シーズンはコンスタントにピッチに立っている高井の武器は、身長192cm体重90kgを誇る巨躯だけではない。
たとえば足元の技術の高さ。スペインとのパリ五輪準々決勝をリアルタイムで観戦していた元日本代表の本田圭佑は、試合中に自身のX(旧ツイッター)を更新。投稿のなかで「15番何て選手? 今のヤバない? うますぎ」とつぶやいた。
U-23日本代表の「15番」を背負っていた選手こそが高井だった。パリ五輪代表からは柏レイソルのFW細谷真大ともにA代表入りし、細谷がベンチ外となった中国戦で即デビューも果たした高井を、指揮官もこう評価している。
「空中戦もほとんど勝っていたと思いますけど、そのすべてで勝てるようなところが彼の特長。相手の高さを止める守備、そして攻撃でも力を発揮できるところをチームに還元できるように、さらに力をつけてほしいと思っています」