■不可欠な攻撃陣の爆発

 後半34分に登場した柴崎にしても、三竿健斗とのコンビネーションは成熟しつつある。ただ、知念慶が戻ってくる日も近いと見られる中、場合によっては柴崎を前に上げて使う形もあっていい。守備強度や推進力は名古新太郎が明らかに上だが、柴崎には決定的なパスを出す力とミドルシュートのパンチ力がある。それをより強く生かそうと思うなら、前目での起用を模索するのも一案。指揮官にはこの甲府戦を踏まえながら、今後のリーグ戦と天皇杯の2冠達成への道筋を模索してほしい。

 J1タイトルを目指す鹿島にしてみれば、相馬勇紀中山雄太らを大型補強した町田ゼルビア、トルガイ・アルスランの加入で生き返ったサンフレッチェ広島らライバルがいる。彼らをかわしていくためには、もう一段階攻撃のギアを上げ、点を取れる形を作ることが必要になる。濃野公人がマークされつつある中、藤井や田川らの爆発が重要になるのは確か。ここからの攻撃陣の動向を注視していきたい。

(取材・文/元川悦子)

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