【天皇杯の因縁の相手・甲府を鹿島が撃破した意味(2)】田川の1トップ起用、藤井の一撃…攻撃陣の底上げは図られたのか……指揮官が選んだ大胆なメンバー変更の画像
鹿島アントラーズのランコ・ポポヴィッチ監督 撮影:中地拓也

 2年連続でまさかの敗戦を強いられていたヴァンフォーレ甲府を撃破し、天皇杯ベスト8進出を決めた鹿島アントラーズ。シュート数は8対9本と圧倒できた試合ではなかったが、しぶとく勝ち切ることができたのは大きい。それを今後に生かさなければ意味がない。

 この試合の収穫と言えるのは、やはり普段のレギュラー陣以外のメンバーが数多くピッチに立ったこと。スタメンで言えば、今月加入したばかりの田川亨介が1トップに陣取り、樋口雄太藤井智也が師岡柊生とともに2列目を形成。ボランチも柴崎岳を休ませ、三竿健斗とミロサヴリェヴィッチのコンビでスタートした。

 最終ラインにも1年前に甲府から移籍してきて初の古巣対決となった須貝英大も左SBでフル出場。こういった面々が底上げを図っていかないと、終盤戦は厳しくなる。ランコ・ポポヴィッチ監督もそう考えたからこそ、あえて大胆な変更に踏み切ったのだろう。

 特に注目されたのは田川。チャヴリッチが負傷離脱した後、鈴木優磨のバックアップ役は17歳の徳田誉しかいなかった。徳田も未来ある若手だが、現時点でJ1トップクラブの最前線をリードするのは肩の荷が重い。そこで田川の補強に至ったわけだが、新天地デビューとなった8月17日の浦和レッズ戦は右MFで登場し、途中から鈴木優磨と2トップを形成。1トップは初めてだった。

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