J1リーグでは先週末、多くのダービーが開催された。中でも注目されたのが、川崎フロンターレと横浜F・マリノスによる神奈川ダービーだ。2017年からの6シーズン、J1タイトルを分け合ってきた2チームが激突したのだ。今季は苦戦が続いているが、このダービーでは復活の「兆し」が見えた。サッカージャーナリスト後藤健生が、両チームの変化の「胎動」に迫った!
■横浜FM「完全復活」のラストピースが復帰
この川崎を破った横浜FMも完全復活間近だ。
川崎戦では、畠中槙之輔とエドゥアルドがセンターバックに並び、サイドバックも右に松原健、左に永戸勝也というかつてのメンバーが顔をそろえた。
ハリー・キューウェル監督は、中盤をアンカー1人にインサイドハーフ2人の逆三角形という、より攻撃的な形に変えて今シーズンに臨んだ。これによって、たしかに攻撃のバリエーションが増えるという効果はあったが、やはり守備的に不安定化。キューウェル監督解任後に昇格したジョン・ハッチンソン監督は、まずボランチを2人置く形に戻すところから着手し、今、横浜FMは喜田拓也と渡辺皓太が3列目に並ぶ形を採っている(川崎戦では喜田が出場停止だったので、山根陸が渡辺と組んだ)。
そして、トップ下では、西村拓真の負傷が癒えて本格復帰を果たしたのが大きい。西村のコンディションも試合ごとに上がっているようで、前線のブラジル人トリオを強力にサポートしている。