■将来性豊かなCBの「経験不足」によるミス
川崎のCBは24歳の佐々木旭と19歳の高井幸大が務めている。
パリ・オリンピックで大活躍した高井は試合ごとに安定感を増し、空中戦ではどんな相手とも互角以上に戦えるし、俊足を生かして広い範囲をカバーできるようになった。また、佐々木もこのところ安定感を増し、2人ともボールを持ちあがって攻撃の起点にもなれる。素晴らしい、将来性豊かなセンターバックだ。
ただ、横浜FM戦での2連続失点の場面をみると、やはり経験不足によるミスが出たようだ。川崎は71分にセンターバックとして車屋紳太郎を入れ、佐々木を左サイドバックに移したが、やはりDFラインの一角には車屋のような経験豊富な選手を入れたほうが良いのかもしれない。
ただ、3点を追う中で、終盤にも猛攻をかけて、川崎は89分には途中出場のエリソンが強烈なボレーシュートを決めて追いすがった。
今シーズン前半戦で、川崎は良いところをまったく出せずに敗れるような試合が多かった。だが、この日の横浜FM戦は数多くのチャンスで決めきれなかったことと、守備の集中が切れたことが敗因だった。つまり、内容的にはけっして劣っていたわけではなく、同じ負けであっても、今シーズン前半戦の頃とは意味が違う。
若いセンターバックも、一つ苦い経験をしたわけで、これも成長の糧となるはずだ。