神奈川ダービーが示した「2つの強豪」復活の兆し(2)強い川崎の鍵を握る「帰ってきた10番」と成長を続ける「ワントップ」と「センターバック」、待ち受けていた「落とし穴」の画像
川崎フロンターレ復活のキーマンは「帰ってきた背番号10」と…。撮影/中地拓也

 J1リーグでは先週末、多くのダービーが開催された。中でも注目されたのが、川崎フロンターレと横浜F・マリノスによる神奈川ダービーだ。2017年からの6シーズン、J1タイトルを分け合ってきた2チームが激突したのだ。今季は苦戦が続いているが、このダービーでは復活の「兆し」が見えた。サッカージャーナリスト後藤健生が、両チームの変化の「胎動」に迫った!

■決定力不足と待ち受けていた「落とし穴」

 これだけ決定機をつかみながらも1ゴールも決まらなかったのは、明らかに決定力不足だった。だが、相手GKが当たっていて運にも見放されると、どれだけ攻めても点が入らないのがサッカーという競技の特性である。

 そして、そんなときに落とし穴が待ち受けているというのもサッカーではよくあることだ。

 55分。横浜FMはエドゥアルドからパスを受けた左サイドバックの永田勝也が中央に入れ、アンデルソン・ロペスがワンタッチで西村拓真に落とすと、西村が倒されてPKを獲得。アンデルソン・ロペスが決めて横浜FMが先制した。

 それまでの試合内容を考えれば、川崎にとって1点差を追いつき、逆転することは十分に可能だったはず。ところが、PKのわずか2分後に西村にスーパーなミドルシュートを決められ、連続失点を喫してしまったのだ。

 右サイドバックの松原健からアンデルソン・ロペスへのくさびのパスが入り、落としたボールを西村が決めたものだ。

 PKの場面もそうだが、くさびのパスが入った瞬間にもう少し厳しくチェックしておくべきだったし、シュートの場面でも寄せきれなかった。そして、先制を許したことで守備の集中が途切れたようにも見えた。

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