【10番・大島僚太がJ1川崎に与える変化(1)】大島が家長昭博と横浜FM戦に話していた「相手が僕なのか、アキくんなのかを選ばなきゃいけないタイミングを作り出そう」の意識の画像
川崎フロンターレの大島僚太 撮影:中地拓也

 ゴール前のこぼれ球に川崎フロンターレのFW家長昭博が突っ込む。左足から放たれたシュートは必死にブロックした横浜F・マリノスのDF畠中槙之輔、とっさに反応したGKポープ・ウィリアムのともに右足に当たって左CKに変わった。

 川崎のホーム、Uvanceとどろきスタジアムで17日に行われたJ1第27節。両チームともに無得点で迎えた神奈川ダービーの32分に訪れた、川崎の最大のチャンスを数秒だけさかのぼると、MF大島僚太の決定的なパスに行き着く。

 マリノスのボランチ、渡辺皓太とのデュエルを制して、ペナルティーエリアの右後方でボールを持った大島はすぐにはパスを出さない。右サイドでフリーの状態でいた右サイドバック、ファンウェルメスケルケン際は大島の意図をこう明かす。

「おそらくあのタイミングで、(対面の)選手がどちらになびいているのかを見ていると思う。逆に相手も見られている感覚もあって、やりにくいのかな、と」

 FW山田新、マルシーニョ、家長、MF脇坂泰斗とペナルティーエリア内に川崎の選手が4人も入ってきている状況で、大島の対面にいたFWエウベルは絞りきれない。次の瞬間、背番号10はボールを右側へ、ちょっとだけ動かした。

  1. 1
  2. 2