【川崎GK早坂勇希と埼玉スタジアムの縁(2)】アクシデント混じりで突然迎えたプロデビュー戦を支えた山根視来、登里享平、瀬川祐輔、大島僚太の心配りと、鬼木達監督の親心の画像
横浜F・マリノス戦でプロデビューした川崎フロンターレの早坂勇希 撮影:中地拓也

 川崎フロンターレの次の試合は8月24日の浦和レッズ戦。リーグ戦で続いていた無敗が前節で途切れたことで、仕切り直しの一戦となる。

 その試合を前にした8月17日の横浜F・マリノス戦でプロデビューしたのが早坂勇希で、GKチョン・ソンリョンが試合直前に出場を回避せざるを得なくなったために回ってきた出番だった。

 早坂にとって埼玉スタジアムは、プロ生活で初めてベンチ入りした場所。とはいえ、当時はフィールドプレイヤーのユニフォームを着用しなければいけない、あまりにイレギュラーな状況だった。それもあって、「あの日が一番多分プロとしてきつかった試合というか、何も分からない状態で入ったという印象のある場所ですけど、逆にプロ初めてのベンチ入りっていうすごく嬉しい自分にとって大切な場所なので、そこでプレーできれば一番いい」と、さまざまな思いを胸で重ねながら意気込んだ。

 早坂勇希にとって、そのデビュー戦は突如訪れたチャンスだった。気持ちの面で準備をする時間は限られていたが、「プロに入って2年半経つ中で、90分ゲームに出ることがなかなかなかったのでいろんな不安要素はありましたけど、逆に割り切れたというか、久々の試合だからいろんな感覚が出るだろうなっていうモチベーションで入れた」と明かす。

 そして、「良い入りはしたのかなと思いますし、流れを読むことを意識しながらやった」とも振り返り、常からの準備があればこそ、その力を発揮できたという。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4