■「右サイドに渡しておけばなんとかしてくれるという思いを」

 そうした状況で、主力として起用され続けている自分自身に何ができたのか。

「サイドバックですけど、75分を過ぎたあたりから、相手に飲まれる展開でも、右サイドに渡しておけばなんとかしてくれるという思いをチームに持たせるようにならないと、日本を代表する選手にはなれない。そこは仲間の信頼だったりとか、個人の成長をもっともっと突き詰めて行きたい」

 降格圏だった磐田に負けて、湘南に敗れた首位の町田に付き合うような形で、勝ち点差を詰めることができなかった。戦術的な噛み合わせに苦しんだ側面はありつつも、交代選手を含めて、チームのエネルギーという部分でも磐田に上回れたのは確かだ。

 しかし、ここから残りの12試合で、なかなかリズムに乗れない試合もあるだろう。そういう時に、一人ひとりがリーダーシップを取って流れと結果を手繰り寄せていく。濃野のように、そうした前向きな課題意識を持っている選手が鹿島にはいる。この結果が次の勝利の糧になっていくかどうかは自分たち次第だろう。

(取材・文/河治良幸)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4