【歓喜の磐田と悲嘆の鹿島――古川と濃野の言葉から読み解く”伝統の一戦”のオモテとウラ(2)】濃野公人が痛感した、「右サイドに渡しておけばなんとかしてくれるという思いを」の言葉の画像
鹿島アントラーズの右SB濃野公人 撮影:中地拓也

 後半途中までリードしながら、交代選手に2得点を許して逆転負け。鹿島アントラーズにとってアウェーのジュビロ磐田戦はある種、悪夢のような結果になったが、試合の流れを振り返れば、必然性のある敗戦だったとも言える。

 夏場で、3−0と勝利したホームの鳥栖戦から中3日で、スタメン組が後半にプレー強度を維持するのが難しくなることは想定されたが、4ー3ー3に変更してきた磐田に対して、なかなか縦に鋭い攻撃を出せない中で、ややラッキーな形のファウルでPKを獲得、先制する試合展開だった。

 1−0で迎えた後半23分に、名古新太郎の時点が、ボールをコントロールした際のハンドで無効になったのはアンラッキーだが、言い換えれば、流れの中での決定的なシーンはこのぐらい。相手の選手交代に勢いに押される形で、逆に鹿島は交代カードでパワーを生み出すことができなかった。ランコ・ポポヴィッチ監督は判定のところでいくつか不利があったことを主張しながらも「ジュビロさんに勝利への執着心で上回られた」と相手を認めた。

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