■“5・6位から昇格を狙う方が我々らしい”の真意

「すぐ下にはいわきFCやジェフユナイテッド千葉徳島ヴォルティス、愛媛FCなどが僅差で迫ってきていますし、最終的にどこがプレーオフ圏内に来るか本当に分からない状況です。そういった現状を踏まえると、仙台は5・6位でリーグ戦を終えて、プレーオフを下から勝ち上がった方がJ1昇格を果たせるのかなというイメージもあります。

『引き分けOK』という状況は逆に落とし穴。これまでの戦いを見ていても、ビハインドで負けそうになると『窮鼠猫を噛む』じゃないですけど、急にパワーを発揮するところがある。『上に食らいつく』じゃないですけど、僕自身もそういうメンタリティなので、逃げ切ることはあまり考えない方がいいと思いますね(苦笑)。

 とはいえ、プレーオフ圏内を死守するためにも、やはり得点力アップは必要不可欠なテーマ。相手陣内に入ってからの連携連動の向上は大切です。ゴールに向かう迫力や質、アイディアを高めていくことにトライし続けていくつもりです」

 ここから先も長崎を下した水戸ホーリーホック、順位の近い千葉やいわきといった難敵が続く。いかにしてチャレンジャー精神を持ってしぶとく戦えるのか。森山イズムのさらなる浸透が重要だろう。

【もりやま・よしろう】
1967年11月9日生まれ、熊本県出身。現役時代はサンフレッチェ広島などでプレーし、サッカー日本代表としてもキャップ数を重ねる。引退後は指導者の道を歩み、サンフレッチェ広島ユースでコーチと監督を歴任。その後、日本サッカー協会で育成年代の監督を務め、U―17日本代表監督としてFIFA U―17ワールドカップに出場した。今季からベガルタ仙台の監督を務める。

※記事内のデータはすべて8月9日執筆時点

(取材・文/元川悦子)

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(4)へ続く
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