■「ゴリさんに言われたことを忘れたことはない」

 森山監督のそういうスタイルは育成年代を指導していた時と全く同じ。久保建英(レアル・ソシエダ)や菅原由勢サウサンプトン)らがU-15年代だった時の合宿でも「お前らはすぐ消える」「A代表になるやつは1人もいない」と容赦なく現実を突き付けていた。菅原などは「今もゴリさんに言われたことを忘れたことはない」としみじみ語っている。

 仙台が8月3日の清水戦でリベンジを果たせたのも、前回対戦の悔しさが選手たちの脳裏に焼き付いていたからではないか。それをパワーに変えてしまうところも森山監督の手腕なのである。

【もりやま・よしろう】
1967年11月9日生まれ、熊本県出身。現役時代はサンフレッチェ広島などでプレーし、サッカー日本代表としてもキャップ数を重ねる。引退後は指導者の道を歩み、サンフレッチェ広島ユースでコーチと監督を歴任。その後、日本サッカー協会で育成年代の監督を務め、U―17日本代表監督としてFIFA U―17ワールドカップに出場した。今季からベガルタ仙台の監督を務める。

※記事内のデータはすべて8月9日執筆時点

(取材・文/元川悦子)

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