■24時間を仙台に捧げる日々
仙台に移り住んで8か月が経過したが、青葉城などの名所を巡ったり、名物を食べたりする時間はほぼないと打ち明ける。
「今は単身赴任しているんですが、お昼はクラブハウスのケータリングが物凄くおいしくて、ホントに助かっています。夜は近くのスーパーの半額セールに行くか、近所の居酒屋にたま~に顔を出すくらいで、ほとんど家にいます。休日も家から一歩も出ずに映像分析をしている状況。お金も使わないし、練習場と家を行き来しているだけで。JFAの頃とは真逆の生活になりました(笑)。
やっぱり『仙台のためにやれることはないか』をつねに考えているし、強い情熱を持って自チームや対戦相手の映像をくまなく見たり、ミーティングのための映像や資料を編集しています。世界のサッカーを見る時間も減りましたけど、やることは本当に沢山ある。今は充実していますよ」
持てるエネルギーを全て仙台に注ぎ込んでいる森山監督。だからこそ、選手たちが消極的な戦いをする姿を見ると憤りを覚えるのだろう。最たるものが、4月20日の清水エスパルス戦の前半だ。序盤から相手に主導権を握られ、2失点した際、指揮官は選手たちに感情をぶつけたという。
「力の差も感じましたし、いろんな選手たちが『今季戦った中で一番難しかった』と話していた通り、清水が強かったのは事実です。外国籍選手や元日本代表選手もいて、質が高いのも認めます。それでも『難しいのは承知で全力でぶつかっていくべきなんだ』と僕は言いたかった。ハーフタイムにはそれをストレートに伝えました。
僕は正直者なんで、よかったらいいと言うし、ダメな時にはダメだとハッキリ言う人間。あの時はとにかく悔しすぎて『こんな試合をしていても全然成長しないぞ』と語気を強めたんす」