■1分15秒後の「ノーファール」判定

 8月7日に行われたJ1のアルビレックス新潟×ジュビロ磐田で、前半2分、新潟にPKが与えられた。FW長倉幹樹がスピードを上げてペナルティーエリアに持ち込んだところに、磐田のDFリカルド・グラッサが接触し、長倉が倒れ込むと、清水勇人主審は迷わずペナルティースポットを指したのである。

 J1の試合である。PKは必ずVARがチェックし、判定が「はっきりとした明白な間違い」であると判断すれば、オンフィールドレビューで映像をチェックするように薦める。確実に間違っていると考えなければ、レフェリーの決定をサポートする。

 このときの磐田は、そのように「VARによって保護されていた」のである。にもかかわらず、リカルド・グラッサは「オレは体を引いた」と執拗に主張。磐田の他の選手たちも、激した様子ではなかったが、清水主審を取り囲んだ。

 この試合のVARは西村雄一審判員である。リカルド・グラッサは当たる前に両手を挙げ、体を回して接触を避けようとしているように見える。西村審判員は「はっきりとした明白な間違い」ではないかと考え、清水主審にオンフィールドレビューをリコメンドした。映像を繰り返し1分15秒間も見て考えていた清水主審だったが、最終的に「ノーファウル」と判定した。

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