■3人以外にインパクトを残した選手

 この2人が順当にA代表定着を果たすためには、所属クラブでのコンスタントなパフォーマンスが重要になる。藤田はベルギー1年目の昨季は20試合出場1ゴールと出番が少なく、スタメンも限定的だった。

 小久保にしても、昨季所属したベンフィカではトップの公式戦に出ておらず、今季が本当の戦いのスタートとなる。その2人がすでに開幕しているベルギー1部で不動のレギュラーとなり、チームをけん引するような存在になれれば、最終予選参戦もスムーズになるはず。所属チームで基盤を固めることが先決だ。

 細谷にしても、今季の柏で2ゴールと数字を残せていないのが気がかりだ。今大会で大きな自信を得たのは間違いないが、それを所属クラブに持ち込み、「ここ一番で点を取れるエース」にならなければ、上田綺世(フェイエノールト)ら欧州組FW陣がひしめくA代表に再び参戦することは難しくなる。それは本人が誰よりもよく分かっているはず。パリ五輪で得た自信を成長につなげてほしい。

 彼ら3人以外でインパクトを残した人材というと、19歳の高井幸大(川崎)が思い浮かぶ。4~5月のAFC・U-23アジアカップ(カタール)にしてもそうだが、ビッグトーナメント期間の彼の成長率というのは凄まじいものがある。日本代表OBの本田圭佑もSNS上で高井を褒めていたが、世界の屈強なFWと対峙しても落ち着いて対処していたし、パス出しの部分でも的確だった。そのプレーを所属の川崎でも継続的に示し、周囲をリードするくらいになれれば、A代表昇格の道が開けてくる。所属先での彼は好不調の波が見られるため、それをなくし、先輩・谷口彰悟(シントトロイデン)のようにつねに高値安定のプレーを出せるように努めてもらいたい。

  1. 1
  2. 2
  3. 3