■フランス戦の教訓を生かして「下剋上」

 もう一つの課題であるセンターフォワード探しにはまだ結論が出ていないものの、パリ・オリンピックでの細谷のプレーを見ると、やはり彼が次世代のCFの本命のような気がしてくる。相手のDFを背負いながらボールをキープしてくれるワントップがいれば、攻撃の幅は大きく広がる。

 細谷や、さらに下の世代の徳田誉(鹿島)など、いわゆる9番タイプの選手が成長してくれれば、日本代表は本当に強くなるだろう(徳田は7月24日のブライトンとの試合に後半から出場。チームが劣勢だったこともあって、ほとんど何もさせてもらえなかったが、うまくゴール前に抜け出して、鈴木優磨からのパスを収めて、ゴールを陥れた)。

 冒頭でも述べたように、2試合を終えてグループリーグ突破を決めたアドバンテージを生かして準々決勝を万全な形で戦えば、必然的にベスト4への道が開けるだろう。

 そして、そこで待ち構えているのがフランスやスペインといった、世界のトップクラスだ。オリンピック開幕前のフランスとのトレーニングマッチは結果としては1対1の同点だったが、現地到着直後で日本のコンディションが悪かったこともあり、内容的に圧倒されてしまった。

 しかし、そのフランス戦の教訓やグループリーグを戦う間に育まれた自信を武器に、格上を相手と戦い抜いてほしい。そして、1試合でもジャイアントキリングを起こせば、「56年ぶりのメダル」が待っている。

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