■細谷は試合終盤で爆発的なエネルギーを発揮
後半に入ると、ゲームの様相が変わっていきます。第1戦でイスラエルと引分けたマリは、引分けでは物足りない。勝点3がほしいということで、前半よりも圧力を強めてきました。前線からのプレスも強くなり、際どいシーンを作られます。62分に至近距離からのシュートをGK小久保が左手一本で弾き出し、70分には直接FKからのヘディングシュートが左ポストを叩きました。
ただ、日本も75分に細谷のポストプレーから山本がシュートへつなげ、その直後には途中出場のFW佐藤恵允が左サイドから仕掛けます。さらに76分、途中出場のFW藤尾翔太のパスを細谷がポケットで受け、ゴール前のMF三戸舜介が押し込めれば1点、という場面も生み出しました。
そうやってマリのゴールへ迫っていたなかで、82分に待望の先制点が生まれました。得点のきっかけは細谷の突破でした。ハーフライン手前でパスを受け、ハンドオフで相手選手を抑えながら身体を前へ入れ、そのまま右サイドを単独で突破していきました。80分過ぎという時間帯で、なおも爆発的なエネルギーを発揮できる細谷は、攻撃の柱と呼ばれるにふさわしいとあらためて感じました。
細谷のクロスに対しては、最初にシュートを打った佐藤、GKが弾いたボールをプッシュした山本に加えて、三戸と関根もペナルティボックス内へ走り込んでいます。クロスに対してこれだけの選手がボックス内へ入るのは、このチームのプレーモデルなのでしょう。それをこの時間帯に実践できる選手たちのタフネスさは、ホントに頼もしいと感じます。
世界基準におけるMFは、攻守両面での貢献が求められます。シントトロイデンでプレーしている山本も、点を取ることを意識しているのでしょう。長い距離をスプリントして決め切る姿には、「さすがはヨーロッパでやっている選手」と感じさせられました。