■3試合通しての粘り強い守備

 0-0で迎えた後半もやはり相手の気迫あふれる攻めを受ける展開を強いられたが、またも小久保が好セーブを連発。今大会無失点の堅牢な守備を維持する。そのうえで、途中からピッチに立った三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)、藤田、細谷らが攻撃のギアを上げ、後半ロスタイムの決勝点に結び付けた。

 この場面を振り返ると、右サイドで西尾隆矢(C大阪)がボールを奪い、右MFの佐藤恵允(ブレーメン)にパス。佐藤が藤田に預けると、背番号8は余裕を持って中盤をドリブルで持ち上がり、佐藤にスルーパスを出した。これを中に折り返したところに飛び込んだのが細谷。ここまで無得点だったエースの待望の一発が飛び出し、理想的な形で1-0の勝利を収めたのだ。

 結局、日本は3連勝の勝ち点9で1位通過。特に無失点というのは称賛されるべきだろう。パリ世代は守備のタレント不足が前々から懸念されており、オーバーエージ(OA)枠の候補も板倉滉(ボルシアMG)や町田浩樹(サンジロワーズ)らDF陣の名前が数多く挙がっていたほどだ。

 しかし、ふたを開けてみると、小久保の大活躍に背中を押された木村誠二、高井、西尾、鈴木海音らが安定感のあるパフォーマンスを披露。3試合通して粘り強い守備が光った。もちろん小久保という絶対的な存在がいることは大きいが、総合力がアップしているのは間違いない。

  1. 1
  2. 2
  3. 3