■清水の中盤に「ボールハンター」宇野が加入
J2リーグは7月第2週の24節(7月13、14日)を区切りに、2週間の中断期間に入っている。しかし、試合がないなかでも各チームは動いている。ウインドーと呼ばれる第2登録期間が開いたからだ。各チームの新戦力とその狙いを読み解く(情報は7月25日現在)。(1、2のうち1)
ここまで17勝1分6敗の勝点52で首位に立つ清水エスパルスは、好調なチーム状況を反映して補強を最小限にとどめている。J1のFC町田ゼルビアから、MF宇野禅斗を育成型期限付き移籍で獲得したのである。
秋葉忠宏監督が指揮する清水の中盤は、MF中村亮太朗、MF宮本航汰のダブルボランチが基本で、MF矢島慎也とMF白崎凌兵がボランチとサイドハーフで起用されている。彼ら4人はボールを動かすことに優れるが、宇野はボール奪取を特徴とする。昨シーズンまで在籍したブラジル人MFホナウドのように、高いプレー強度で中盤の守備を引き締めることだろう。
6月19日に加入が発表されたFWアブドゥル・アジズ・ヤクブは、中断前の大分トリニータ戦ですでにJ2リーグデビューを飾っている。今シーズンは北川航也を1トップとする4-2-3-1を主戦術としてきたが、このガーナ人FWに起用の目途が立てば、ドウグラス・タンキを加えた3人がCFの候補になる。より強力なオプションとして、2トップを採用できるだろう。
清水を勝点1で追う2位のV・ファーレン長崎も、移籍市場での動きは少ない。保有戦力に不足がないからだ。
数少ない新戦力として、CB照山颯人を獲得した。今オフにJ3のFC今治からいわきFC入りした照山は、3バックの中央を定位置にチームの白星先行に大きく貢献していた。
長崎はCB新井一耀が右足に大ケガを負い、今シーズン中の復帰が難しい。田中隼人と櫛引一紀がCBのコンビを組んでいるが、照山の獲得で選択肢に厚みを持たせた。照山が持つビルドアップのセンスを考えると、スタメンに食い込んでもおかしくない。J1昇格への歩みを確かにする補強と言える。