■拡大を続ける実施競技数と「選手数制約」

 オリンピックの人気拡大のために、実施競技数は拡大を続けている。

 1964年の東京オリンピックでは20競技163種目で金メダルを争ったが、パリ大会は32競技329種目。種目数は(女子種目が増えたこともあって)ほぼ倍増である。

 一方で、競技人口が少ない、たとえば近代五種のような競技を実施競技からはずす動きもあったが、オリンピックの伝統を重んじる立場から歴史的な競技をはずすこともできない。

 こうして、オリンピックは肥大化し、開催都市への財政的、環境的な負担は増す一方だ。

 そのため、IOCは「肥大化抑制」のポーズを取らざるを得ず、参加選手数を少しでも少なく見せたい。だから、団体競技のチーム別の選手数にも制約が設けられ、サッカーの1チームの選手数は実質的には22人であっても、数字的には18人とされるのだ。

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