「筋トレを頑張るのもいいのですが…」

小久保 難しいことは全然、していません。ただ、レイソルは、足元に関して、右足も左足も両方ちゃんと蹴れたほうがいい、という方針でした。ゴールキーパーは、相手からのプレッシャーを正面から受けることが多いのですが、相手がどちらかのコースを切ってきた場合は、逆の足に持ち換えていいフィードをしようとか。
 これはベンフィカにも共通することですが、無駄な動きはせずに、シンプルなことをずっと指導し続けてくれた。チームとして、いいキーパーを作ろうと思っているのが伝わってきましたね。

――聞けば、学生時代よりも体重が10キロ(現体重91キロ)増加したそうですね。体づくりで意識している点はありますか?

小久保 自分はジャンクフードが好きではないので食べません。中学や高校のときは線が細くて、体重を増やしたかったので、当時は1日に5回くらい食事をしました。朝食、昼食、練習前におにぎり、夕食、夜寝る前にさらにお母さんのごはんを食べるといった感じですね。
 体を大きくしようとして、筋トレを頑張るのもいいのですが、結局はエネルギー補給をしっかりしないと意味がない。キーパーは体が大きいほうがいいので、食事をちゃんと摂ろうという努力はしましたし、それは現在も続いています。

――体重が増加して、プレーに変化はありましたか?

小久保玲央ブライアン(こくぼ・れお・ぶらいあん) 2001年1月23日生まれ、千葉県出身。193センチ、91キロ。ナイジェリア人の父と日本人の母との間に生まれ、小学生時代は柏エフォートFCでプレー。柏レイソルU-15、U18で才能を伸ばし、18年、柏レイソルトップチームへ。同年1月開催の「アルカス国際カップ」で大会最優秀GKに選出されたことで世界的に注目され、翌19年1月、ポルトガル1部の強豪SLベンフィカのU-23チームに加入することに。20年8月には、UEFAユースリーグ決勝でレアル・マドリードと対戦。2-3で敗れるも、大会準優勝に貢献した。同年10月、2部SLベンフィカBで初ベンチ入り。22年1月、Bでデビューを果たし、5月にトップチームで初ベンチ入り。日本代表としては、U-15代表候補に選ばれたのを皮切りに、各年代で選出。今年4月のAFC U23アジアカップでは、数々のビッグセーブでパリ五輪出場権、アジア制覇に貢献。7月11日、ベルギー1部のシント=トロイデンVVへの完全移籍を発表した。

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