■両SBの清水と北川、さらに長谷川が「前線」へ
これが、ワールドカップやオリンピック本番だったら非難されても仕方のないような前半だった。
だが、これはあくまでも強化試合だ。当初の目論見とは違ってしまったが、想定外の流れになったときに、いかに落ち着いて対処できるかが試される後半となった。
後半のスタート。日本はアンカーの熊谷が前半より下がり気味な位置取りで、4バックとも3バックとも受け取れるポジショニングで両サイドバック(右が清水梨紗、左が北川ひかる)を高い位置に張らせて、さらに長谷川も前線に飛び出していく回数を増やすことで攻撃の圧力を増した。
そして、51分には1トップの田中美南が相手DF間のパスをカットすると、後半から出場していた浜野まいかとのワンツーで抜け出してゴールを陥れた(かなり長いVARの末にゴールが認められた。それだけオフサイドラインぎりぎりでの勝負だったのだ)。
1点をリードした後は、熊谷が完全に最終ラインに下りて3-4-3の形に変更。藤野の右CKからつないで浜野が2点目を決めると、藤野が25メートルほどのFKを直接左上隅に決めて3点差とし、さらに試合の終盤にも藤野のFKに途中交代出場の植木理子が頭で合わせて4点をもぎ取っての勝利。
相手が1人減っていたとしても、ガーナの攻撃を前半アディショナルタイムのロングシュート1本だけに抑えて完勝した。