■「われわれの攻撃がルーマニアを苦しめた」
車掌は次の電車に乗るという選択肢もほのめかすが、それにはなんの保証もない。
マッチ・デーだから、次の電車もほとんど満席だ。
私は2等車の席に座ることができたが、1車両に20人くらい立っている。
新しい電車をケルン駅から用意するというアナウンスがあったが、アプリにも乗り換えを示唆するような表示も出たが、具体的なものはなかった。結局、代わりの電車は用意することができず、そのままミュンヘンに向かうことになった。
「予約を持っていない人は、この電車から降りるように」という大きな声でのアナウンスも続いたが、降りる人はほとんどいなかった。
ミュンヘンには10分遅れだけで無事に到着した。
オレンジ色がミュンヘン中央駅にあふれた。
ルーマニアはいきなり10番のヤニス・ハジが頭から流血。
オランダは20分、コーディ・ガクボがドリブルから右足の先制弾。
後半、ルーマニアのファンは発煙筒とスモークでチームを鼓舞するが、オランダは途中出場のドニエル・マレンが83分に2点目。
ロスタイムにもマレンは3点目を挙げると、ルーマニアのファン側のコーナーに走った。
おびただしい量のビールの投げ入れを受けたが、マレンは平然とセレブレーションを続けた。
オランダのロナウド・クーマン監督は言った。
「このチームには才能がそろっている。人々は1988年と比較するだろうが、あのときからフットボールは変わった。ここ数試合、トーナメントを継続するのに疑問を感じた人も多いだろう。なぜ、悪いプレーをするとか、どうしたら高いレベルに到達できるのかを説明するのは難しい。今日の問題は、2点目を取るまでに時間がかかり過ぎたことだろう。でも、われわれの攻撃がルーマニアを苦しめた」
オランダは7月6日、ベルリンでトルコとセミファイナル進出をかけて戦うことになった。