■距離感改善の清水が岡山を突き放す

 1対1で迎えた後半開始直後、清水が再び前に出る。

 49分、左CKから高橋がヘディングシュートを浴びせ、相手がブロックしたボールを原が回収して乾へつなぐ。乾の右足シュートは相手GKに弾かれたものの、こぼれ球をカルリーニョス・ジュニオがプッシュする。IAIスタジアム日本平が沸騰した。

 秋葉監督は65分にカルリーニョス・ジュニオを下げ、74分にも乾と松崎を下げる。選手の入れ替えでチーム全体の運動量を維持すると、79分に決定的な3点目をゲットする。中盤でのパスカットからDF北爪健吾が右サイドから持ち出し、内側から並走するMF矢島慎也へつなぐ。ペナルティエリア内まで持ち込んで右足を振ると、DFに当たってコースの変わったシュートがGKの頭上を破った。矢島は5試合ぶりのシーズン3得点目だ。

 秋葉監督は85分にも2枚替えを行ない、守備時は5バックで構えて失点のリスクを抑える。今シーズン負けなしのホームで3試合ぶりの勝利をつかんだ清水が、岡山との上位対決を制した。 

 攻撃時の距離感が改善され、ワンタッチプレーを効果的に使えていたのは改善点だ。このところシュートチャンスに恵まれていなかったFW北川航也が、後半にバー直撃のシュートを放ったのも好材料にあげられる。

 J1自動昇格圏を巡る争いは、勝点47のV・ファーレン長崎が首位で、勝点46の横浜FCが2位となっている。清水は横浜FCと同じ勝点46だが、得失点差で3位だ。

 ホーム連戦となる次節は、6位のジェフユナイテッド千葉を迎え撃つ。カルリーニョス・ジュニオと乾が出場停止のなかで、ホーム不敗を継続することができるのか。秋葉監督は「全員の力で勝ちたいと思います」と力強く話した。

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