【湘南に引き分けるも、反撃態勢を整えるJ1川崎(2)】試合で最も観客を沸かせた大島僚太という存在。小林悠が大島に“耳打ちした言葉”とともに約1年ぶりにピッチに立つの画像
湘南戦での川崎フロンターレの大島僚太 撮影:中地拓也

 ある意味では先制点をあげた場面よりも、はるかに大きな歓声と拍手がピッチに降り注いだ。川崎フロンターレの「10番」を背負うMF大島僚太が、昨年7月1日の名古屋グランパス戦以来、実に361日ぶりに戻ってきた瞬間の光景だ。

「1年ぶりですし、勝ってもっと大きな歓声が聞きたかった、というのはありますけど、でも楽しさもありつつ、いろいろな感情があったかなと思っています」

 ホームのUvanceとどろきスタジアムに、湘南ベルマーレを迎えた26日のJ1リーグ第20節。FW山田新に代わって80分からピッチに立った大島が、後半アディショナルタイムを含めて、19分近くプレーした復帰戦を振り返った。

 試合は大島が出場する直前の78分に追いつかれた川崎が、そのまま1-1で引き分けた。大島と同じ80分から投入されたFW小林悠が、終了間際に迎えた決定機をさかのぼっていくと、大島の左足から放たれたパスに行き着く。

 右サイドからMF橘田健人が送ったクロスのこぼれ球を、攻め上がっていたDF高井幸大が収めて後方に下げる。待ちかまえていた大島が、間合いを詰めてくる湘南のFW福田翔生のプレスをまったく意に介さずに左足を振り抜いた。

 緩やかな弧を描いたゴール中央へのパスは弾き返されたが、こぼれ球をDF大南拓磨がスルー。すかさず後方にいたMFゼ・ヒカルドが右へ展開し、キャプテンのMF脇坂泰斗がワンタッチで折り返したクロスに小林が突っ込んだ。

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